こんにちは、matsu(@matsu_sl)です。
本日、金融庁から公式回答という形で匿名化解除に関する発表が成されました。
参考 金融庁における法令適用事前確認手続(回答書) 金融庁長かった。。。あまりに多くの血が流れてしまった。。。
なんか世紀末みたいな道のり歩んできた感覚がありますが、実際2017年〜2018年は暗黒期と称しても遜色ないほど厳しい時期であったと思います。
でも、不思議と感慨深い感情はありません(#^ω^)
というのも匿名化解除が成されただけで全てが解決するわけではありませんから。
今後想定される問題として最も憂慮すべきは、公開された情報が虚偽である可能性があるということも考えられます。
こればかりは投資家サイドから判断は難しいので各事業者の調査力等に頼るしかありませんが、予防措置として第三者機関からのチェックなども実現できると良いでしょうね。(例:CREALなど不動産クラファンにおける監査機関の活用など)
さらに以前の日経記事では金融庁幹部の談話として「貸付先情報を公開しない場合はその理由を問いたい」という話しが掲載されていました。
これは事実上、匿名化解除を義務付けているような趣旨に受け取れますが、これにより匿名化をメリットの一つとしてソーシャルレンディングを活用していた借入企業が減少する可能性も出てきます。
そして、この2点を考慮すると、ソーシャルレンディングの利回りというのはこれまでの6〜8%よりも一段階下がって3〜5%程度に落ち着いてくるのではないでしょうか?
安全性を考慮した結果、利回りが低下するという事態は致し方ないとは思いますが、最大の魅力であった高利回りを失うことは、ソーシャルレンディングという投資方法の優位性を失うことにも繋がるかもしれません。
こればかりは実際にスタートしてみないと分かりませんが、株式やREIT、インフラファンドなどよりも利回りが低くなり、税制も厳しく、投資対象としてクオリティが低い、、、最後に残った利点は値動きが無いこと、、、といった感じに詰められていくと厳しくなるかもしれませんね。
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さてさて、今後はこの方針を軸に各事業者がどのような対応・ファンド組成方法を構築していくのかに注目されますが、いち早く今回の見解に関して自社の方針を発表したのは、新規事業者ながら最も注目されている事業者であるFunds(ファンズ)さんです。
参考 貸付投資のFunds、匿名化解除に対応し貸付先の企業名などの公開方針を発表prtimesさすがにこれまで業界を客観的に把握してきたクラウドポートさんだけあって、その投資家に寄り添うようなコメントには信頼を寄せたくなります。
ただしFunds(ファンズ)も貸し付けた関連会社が返済が難しくなった時、これを親会社が増資などで救済して投資家への返済を行うというスキームについて現在の見解では直接補填に当たらないとの見解のようですが前例がない事案のため今後方針転換により適用できなくなる可能性もあります。(ふまんだらけさんのブログに詳細あり)
これはFunds(ファンズ)が怪しいとかいった話ではなく、何が言いたいのかと言うと、重ね重ねになりますが、匿名化解除の吉報は喜ぶべきものではありますが、これは前進したということではなくやっとスタートラインに戻ったということ。
この5年間はソシャレンにとって飛躍した期間となりましたが、それに伴って多大なる犠牲ももたらしました。
匿名化あっての盛況だったのか、それとも投資手法としての可能性が評価されての成長であったのか。
2019年はクラウドファンディング投資業界にとってまさに試金石となる1年となることでしょう。
願わくば株やRIETなどに並ぶ新しい債権というジャンルを確立し、直接金融という新規性と債権という安全性をミックスした投資手法として浸透していくことを望んでいます。
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