こんにちは、matsu(@matsu_sl)です。
不動産クラウドファンディング事業者として新規参入したFANTAS fundingについて、投資前に頭に入れておくと良さそうなことをまとめてみました。
事業者への評価は今後の運営を見守りながら確立していくしかありませんが、現在までの状況から判断すると不利益と取れるようなことは見つかりません。
ぜひ躍進してってほしいですね(*^_^*)
目次でサクッと
FANTASは不動産クラウドファンディング事業者である
不動産クラファン | ソシャレン | |
---|---|---|
登録免許 | 不動産特定共同事業 | 第二種金融商品取引業ソーシャルレンディングを行う上で必須となる免許。ファンドの募集や... More |
監督省庁 | 国土交通省 | 金融庁 |
情報開示 | 制限なし | 指導により制限 |
資本金 | 1億円以上 | 1千万円以上 |
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いは、まずその根拠となる法律・免許が異なっているということ。
不動産クラファンは「不動産特定共同事業(不特法)」なので監督省庁は国土交通省となり、ソシャレンは「第二種金融商品取引業(金商法)」なので金融庁が監督することになります。
ファンドにおける情報開示については、ソシャレンは金融庁の指導に従い最終貸付先の匿名化&複数化がスタンダードになっていますが、不動産クラファンは国土交通省が監督するのでそのような制限を受けることなく物件住所などのファンド情報を投資家へ開示できるのです。
つまり、ソシャレンより不動産クラファンの方が透明性が高い、というのが特徴であり強みでもあると思います。
また、定められている最低資本金も1億円以上と定められているのでソシャレン事業者よりも経営母体の充実に期待することができますね。
・投資家サイドから物件の実力を調査することが可能となる
・事業者から提供される情報をチェックできる
・物件を見る目が養われる
「投資家が優先」+「FANTASが劣後」という共同出資が特徴の一つ
FANTAS fundingの投資家保護という視点から見て優位性のある特徴と言えるのが上図の出資スキームです。
端的に言い表すと、
償還時、損失があったとしてもー20%以内なら投資家の出資金は毀損しない
というもので、投資家出資分は優先返済が受けられる出資枠(シニア)、FANTAS出資分は劣後返済の出資枠(メザニン)としてリスクを請け負っています。
従って、例え償還時に損失があったとしても、まずFANTAS出資分で損失を精算するので、−20%以内(FANTAS出資分内)の損失であれば投資家の元本は既存せずに済むのです。
さらに事業者と共同出資という形は、ファンドが失敗に終わると事業者にも損失を被らせるので必然的に
- ファンド組成時の審査クオリティ向上
- ファンド運営時の経営クオリティ向上
が見込まれるため、投資家にとっても優位に働くことは間違いないでしょう。
そして、FANTASファンドへ出資するプレーヤーは投資家とFANTASの2者に限定されており、他金融機関などは挟まれていないと明言されています。
これは客観性に欠けるというデメリットもありますが、想定外の返済圧力などを排除できるということをメリットとして受け取ることもできますね。
感覚的には関係するプレーヤーが少ないほうがよりシンプルでスムーズであると思うのでメリットとして捉えやすいと思います。
ケースバイケースで中途解約・譲渡が可能
ソシャレンでは不可能な中途解約・譲渡を不動産クラウドファンディングでは出来ることは強みと言えるでしょう。
ただし気になる解約条件について問い合わせたところ、その理由によって判断する必要があるとのことで「ケースバイケース」というのが正直なところのようです。
理由によっては解約できないということを理解しつつも手段として念頭に置いておくと良いのかもしれません。
・解約はケースバイケース
・解約に関する手数料は無料
・解約すると配当金は支払われない
中古ワンルームで都内、空き家で地方の中古不動産をファンド化
入居中の中古ワンルームを転売!FANTAS checkプロジェクト
FANTAS checkとはAI(人工知能)によるFANTAS独自の不動産自動査定サービスであり、これによって取得した中古不動産を不動産クラウドファンディングとしてファンド化して募集しています。(過程がスピーディーかつ効率的になり物件仕入れ時のコスト削減)
このサービスは東京都内のワンルーム限定の査定サービスなのですが、それによって組成されるファンドは必然的に需要高を見込まれる都内物件であり、現在のところ利回り10%で募集金額も数千万円程度となっていることから人気を博しています。
ファンドの返済は家賃収入と売却益で行うことを想定しているようです。
ワンルーム限定になりますが、例えばCREALで募集されるワンルームファンドについて調査する際に、このFANTAS check を活用することで調査に客観性を持たせることもできますし、なにより調査効率の向上を期待することができます。
EX.CREAL募集ファンド ドルチェ月島・弐番館
■CREAL金額:2,080万円(CREAL出資分含む)
■FANTAS check査定金額:2,000〜2,800万円
上記査定金額からCREALの価格設定は十分利益を見込むことが出来ると判断。(あくまで一例)
空き家を再生!FANTAS reproプロジェクト
需要を見込める地域に点在する空き家をリフォーム・リノベーションすることで物件として再生、運用することを目的とするファンドプロジェクトです。
募集資金はリフォーム費用がメインとなるので数百万円と募集金額は少ないのですが、FANTAS fundingを特徴づける社会的意義もあるファンドであることは間違いありません。
■長期優良住宅化リフォーム推進事業
■ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業
■高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
■住宅ストック循環支援事業
ファンド説明ではどのような再生を行うかが明記されていませんが、補助金制度に合致する可能性があるものについては恐らく申請されているものと思われます。こういったものと合わせて空き家という低コスト仕入れを考慮するとある程度の高利回りについても納得感が出てくるかもしれません。
matsu
事業者に適用される可能性のある補助金制度があればファンド説明に添えて欲しいと思います。
もし期限内に売却できなかったら?
投資家にとってもFANTAS fundingにとっても避けたい状況ですが、仮にファンド物件を期限内に償還する事ができなかった場合、
- 運用期間を延長
- FANTASが買い取って償還
という2つの対応法から、投資家保護に有利な対応をFANTASが判断するとのことです。
出金手数料は無料、元利金一括払いが基本
支払い方法はファンドごとに設定するのが基本となりますが、現在のところFANTASのファンドは運用終了時に元利金一括払いが主となっています。
運用終了し償還時に登録した銀行口座へ元利金を支払う際の振込手数料は無料とのことです。
ただしファンド申込時の入金手数料は投資家負担となります。
運営会社は「FANTAS technology」
設立9年、今年は10周年を迎えるための躍進の年となるかもしれません。
役員構成も監査役3名、社外取締役1名を加えてある程度客観性を汲み取れるものとなっています。
売上についてはBSなどが公開されるとより好ましいですね。
SNSで物件進捗などの情報発信をしているのは好感触
もちろんHP上でも行われていますが、会員登録などの制限がないオープンなSNS上で自社取扱ファンドの進捗を報告している姿勢は好意的に受け取れますね。
FANTAS repro1号、テナント入居済みです。 pic.twitter.com/TdsINbIJAc
— 永野由貴(Yuhki Nagano) (@EternaLField1) 2019年1月31日
参考 FANTAS repro(空き家再生) PJ 第1号FANTAS funding
FANTAS repro2号、テナント入居済みです。 pic.twitter.com/biE3EnUPab
— 永野由貴(Yuhki Nagano) (@EternaLField1) 2019年1月31日
参考 FANTAS repro(空き家再生) PJ 第2号FANTAS funding
参考 FANTAS repro(空き家再生) PJ 第3号FANTAS fundingFANTAS repro3号テナント入居済みです。 pic.twitter.com/Fx4ABvmVJn
— 永野由貴(Yuhki Nagano) (@EternaLField1) 2019年1月31日
水回りの写真が多い気がしますが、やはりこの部分が一番リノベ後の新鮮さを感じ取れる部分だからでしょう(*´∀`*)ノ
担当は永野由貴さん。今後もフォローしながらチェックさせて頂きたいと思います。
matsu
まだ新規参入して間もない事業者なので今後の償還・運用状況を観察しながら比較評価していきたいと思います!
いつも拝読させて頂いております。
劣後出資の件ですが、リノベ完成後を100として、20の劣後出資ということはないでしょうか。
中古で50で買ってたりしたら、運営者側は、実はリスク取ってない可能性もあるのかと思いました。
優先部分に10%とか高利回りは、凄すぎます。
いつもありがとうございます!
リノベ完成後100=リノベ後の物件評価額、それに対して投資家80、FANTAS20の出資ということですか?
それを100位上で販売することを試みて(利益上乗せ)償還を目指すといった感じなら問題なさそうな印象です。
50で仕入れようがそれを商品化する費用も換算して100かかる。
これを投資家とFANTASで8:2で出資する。
情勢が悪くなり80で販売することになっても投資家元本に影響は無い。(ギリギリだと配当金は微妙)
といった感じなのではないでしょうか。
それかリノベ完成後100というのが利益も上乗せした物件販売予定価格だとしても、20%毀損すれば上乗せした利益が吹っ飛ぶのでFANTASは利益が出ないというリスクを負うような形になると思います。
ただし高利回りを警戒するお気持ちは十分理解しています。
私も空き家は利益率が良いのが前提で社会的な情勢も後押ししているので高利回りというのは理由付けできるのですが、
中古ワンルームに関して高利回りなのは警戒している気持ちもありますね。
AI査定による効果によるものなのか、はたまたオープニング時期なので頑張っているのか。
この点については時期を見て質問したいと思います。