こんにちは、matsu(@matsu_sl)です。
ソーシャルレンディングをまだ始めていない方の中には、高金利な投資だから危ないと遠ざけている方もいるかと思います。
確かに高金利には相応のリスクが付くものですが、ただ漠然とそれだからといって可否を判断するのはもったいない感じもします。
私達に高金利の配当が分配されるなら、借手企業はもっと高い金利で借りていることになりますよね?はっきり言ってなぜそんなことをしているのでしょうか?
その事業者が危険だから?銀行も貸してくれない企業だから?
それらの疑問は投資家目線からは分からない、ソーシャルレンディングの高金利の仕組みを紐解くことで解決するはずです。
目次でサクッと
低金利で金額の大きい銀行融資を成立させる
この部分はわかりやすかったので下記記事のクラウドポート藤田さんの説明を参考させて頂きます。
参考 なんでソーシャルレンディングは預金よりも「高利回り」なの?DAILY ANDS1億円のビルを購入して売却したい不動産事業者の場合
- シニア ローン銀行からは7,000万円しか借りられない
全て銀行投資で賄えればそれが最善だけど、銀行審査では金利1%で7,000万円までしか借入できなかった。残りを自己資金で補う手もあるが、それでは事業性が縮小してしまう。(レバレッジが掛からなくなる)さらに時間的制約もあり急ぐ必要がある。
どうしよう??
- メザニン ローンソーシャルレンディングで3,000万円調達する
そこで審査スピードも早く融通も効くソーシャルレンディングで3,000万円借り入れることにした。提示された金利は10%!
高い?
もちろん高いが自己資金を使わないことと、事業全体の収支を考えると高くないと判断できる。
- 事業の全体像10%のインパクトが強いが全体収支を計算すると
たしかに10%のインパクトはでかい。しかし全体的な収支、つまり最終的に支払う利息を元に、事業にかかる金利を再算出してみるとどうだろう?
銀行利息=7,000万円✕1%=70万円
ソシャレン利息=3,000万円✕10%=300万円
つまり1億円借りて370万円の利息を支払うのだから、年利に計算し直すと金利は3.7%という計算になります。
- エグジット1億370万円以上で売れればOK!
1億円のビルを全て借入資金で購入し、1億370万円以上で売却できれば不動産事業者は利益を確保できる。
ここで確認しますが、素人目線から見ても、投資用として選別して買った1億円のビルを1億370万円以上で売ることは難しいでしょうか?
また1億円を金利3.7%で借りることは無茶でしょうか?
答えは否ですね。
このように高金利のみに着目すると危うく写りますが、全体像を把握するとまったく違った形に見えてくることが分かるかと思います。
何より自己資金を1円も出さずに利益を上げられる、というのが事業者にとって魅力的です。(案件にもよります)
またソーシャルレンディングを活用することにより、先に決定した銀行融資を無駄にせず生かしていると考えることも出来るでしょう。
このような経緯で組成されたファンドが、我々投資家に年利5〜8%程度のファンドとして募集が掛けられることになります。
風力発電を設置して長期的な運用益を得たいエネルギー事業者の場合
- 銀行は融資をしてくれなかった!
1億円で有利な場所へ風力発電所を設置できる案件が整った。後は資金さえあれば事業開始できる。
しかし銀行に打診しても融資は降りなかった。
理由は「事業実態がないから」…当たり前だけど、そういうこと。もし風力発電所が建築されなかったら土地を担保に入れても二束三文にもならない。
では、どうしよう。この事業は諦めるのか?
- …だからソーシャルレンディングで全額借入
しかし、ソーシャルレンディングで1億円借りれると打診された。金利は9%。
高いが、事業的勝算もある。
借りよう。
- 高金利で借りたのは銀行融資の条件を満たすため
銀行融資は実態の無いものへ融資できないとのことだった。
ならばソーシャルレンディングで高金利でも借りて、発電所という実態を作ってしまおう。
- エグジット最終的に低金利な銀行融資に借換えて長期運用
発電所を建設し売電もスムーズに始まった。
それらを提示すると銀行融資が降りる算段になった。
銀行融資で1億900万円借りて、それでソーシャルレンディングの元利金を支払うことにしよう。
初期費用が9%アップした形だが自己資金を消費せず事業を形作ることが出来たから満足だ。
将来的に風力発電割合が増加すると思われるので例にとりました。
実際にメガ発電所となると1億円程度では足りないのですが、事業実態を作り銀行融資の要項を満たすためにもソーシャルレンディングを活用する事例もあるようです。
発電所建設開始から銀行融資が降りるまでの期間を8ヶ月と読んだのなら、私達のもとへは金利7%+運用期間8ヶ月といった要件でファンド組成&募集が掛けられるようです。
なぜソーシャルレンディングという事業形態なのか?
そもそも、なぜソーシャルレンディングという事業形態で資金提供を行うのか?
貸金業者が単独で行えば手間もかからず利益もふえるのでは?
こういった疑問もあるかと思います。確かに単独で行った方がメリットはあるのにわざわざ投資家を募集する理由は何なのか?これを解決しないと投資する側としては気持ち悪いですよね。
答えは意外と単純で、前述のような融資をする際に貸金業者の自己資本のみでは足りないからです。
そのためソーシャルレンディングという事業形態へ移行し、個人投資家を募ることで資金需要に答える体制を整えています。
例えば、沖縄発のソーシャルレンディング「Pocket Funding」ですが、親会社の財前GROPEは創業以来20年以上沖縄経済に関わる形でファイナンス事業を手がけていましたが、貸付条件等を満たす全ての事案へ資金提供出来ていたわけではなく、それを補うためにファインテックの時流に乗って2017年よりソーシャルレンディングという事業形態も取り入れたとされています。
同じく貸金業として10年近い経歴を誇る「トラストレンディング」もこのような流れで参入されたのでしょう。
ここ数年の時流に乗りいきなりソーシャルレンディングを始めてしまった事業者は失礼ながら軽く見えちゃいますが、長年の貸金業務の末、必要性を見出しての参入という経緯が分かれば必然的に納得し信頼せも高まるのではないでしょうか?
まとめ
つまり銀行要件を満たさないという理由で諦められてきた事案を、銀行要件を満たす形まで持ち上げて銀行融資へとつなげていく。
このようにソーシャルレンディングは従来の銀行融資を否定して存在するのではなく、銀行融資を活かすために潤滑油のような役割を担っていることが分かるかと思います。
高金利で危ないと警戒する感覚は大切だと思いますが、それも事業算段があってのことと見ることができれば妥当性を見いだせないでしょうか。
ちなみに今回参考例にさせて頂いたクラウドポートの藤田さんは元クラウドバンク取締役。
事例紹介のような案件も存在するのでぜひ口座開設してチェックしてみて下さい。
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