ソーシャルレンディングにおいてデフォルト件数は現在のところ極小といっても良いかと思いますが、返済の遅延についてはチョクチョク発生しているようです。
一投資家として
延滞が発生した場合どのようなことが起こるのか?
これは必ず把握しておきたいシチュエーションです。
これまで起こった延滞案件を実例に、その後どのような運びになるかを見ていきましょう。
延滞が発生時の正当処理(担保アリ)
遅延が起こった場合の正道とも言うべき事例をmaneo社の案件からご覧頂きたいと思います。
参考 【延滞発生に関するご報告】maneo2017年3月、上記教育関連企業へ融資を行い延滞が発生しました。
- Step1期日までに元利金支払われない
- Step2SL事業者が内容を把握
- Step3担保があれば法的手続きに入る
- Step4元本、利息、遅延損害金の回収
- Step5投資家への分配
回収できた金額に合わせて投資家へ分配する形になります。
上記タイムラインは実例に基づいたものであり、投資家保護も念頭に置いたまさにお手本のような遅延案件に対する処理であったと見受けられます。
また社長ブログで事の顛末を投資家へ向けて発信されているのが素晴らしいですね。内情を知りえないSL投資家にとっては何にも増して安心できる材料であったことと感じられます。
参考 延滞案件が発生しましたmaneo社長のブログ延滞発生時の処理(担保ナシ)
遅延が起こり担保もないためグダグダになってしまった事例を紹介します。maneoがハイリスクを謳って募集した無担保無保証の「maneoの虎 ラーメン屋案件」です。
参考 【延滞発生に関するご報告】maneo2018年3月、上記ラーメン店運営会社へ融資を行い延滞が発生しました。
- Step1期日までに元利金支払いが行われない
- Step2SL事業者が内容を把握
- Step3担保がない
担保がないため換金による資金回収は叶いません。今回の事例では借手事業者に返済の意志が見受けられるため、随時その売上金から元利金などを回収する流れになったようです。
- Step4一部回収する度に投資家へ分配
資金を回収する度に投資家へ連絡が入り分配という流れになります。
まだmaneoラーメン屋延滞案件は良いほうかもしれません。クラウドクレジットのカメルーンや欧州ファンドは満期予定日から2年近く経過した今もデフォルトにならずダラダラと「延滞」という状態で推移しています。
満期日に払えそうにない、という延滞
上記までは満期前の月々の返済日に置いて支払いが滞る事例でした。
少しニュアンスが異なるかもしれませんが、次は満期日に元利金を返済できないような場合どうなるか。
事前に把握できていれば、「借り換え新たに借金をして古い借金を返すこと。 このように書くとネガティブ... More」という手段を取るのが通例です。借り換え先は別金融機関でもいいですし、再び同じSL事業者でもOKです。
特に不動産売却や太陽光発電売却などに置いて、「延滞=販売期間の延長」といった名目で借り換えを行う事例を多く見受けられます。
通称「おかわり」というものですね。
事業者がデフォルトを認めないと損金計上できない
事業者がデフォルトを認めないと確定申告において損金として計上することができません。
これが一番のネックですね。
投資家としてはさっさと損金計上し、いくらか還付金を充当して「次」へと進みたいものですが、事業者としてはデフォルトを出すと評判に大きな傷が付くので認め難いのでしょう。
もはやクラウドクレジットに関してはデフォルトしている認識で間違いないと思われます。maneoの虎のラーメン屋についても、一部回収までが滞った場合どのような処理が下されるのか注目されています。
私としては良い前例作りという意味で、
バッサリ切り捨ててもらいたい
と考えています。
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