こんにちは、matsu(@matsu_sl)です。
もはや周知ですが昨日maneoから大規模遅延のお知らせが発表されました。
参考 お知らせmaneo正直、またかよ〜って感想が投資家間では共通しているかと思います。6月以降、月初めに何か発生している印象なのでうんざりする気持ちも否めません。
しかしながら、やはり大切なのは出来る範囲で事実確認を行うこと。怒りや悲しみなどの感情もありますが、悲観的に全てを否定していては失うだけで得るものは少なくなるはずです。
今回の出来事も経験として収められるように、まずは発表された内容を確認することから始めましょう。
遅延はEO社、AU社、CU社の3社案件で発生した模様です。
EO社遅延案件の概要
借手 | EO社(遅延案件例はこちら) |
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貸付者 | maneo(EO社遅延のお知らせ) |
貸付金額 | 5,500万円 |
運用 期間 | 2018年03月20日 ~ 2018年11月28日 |
資金用途 | 太陽光発電所の設備費用 |
保全処置 | ・担保として発電所の土地(北海道) ・公正証書での融資契約 |
- 貸付前提条件計画順調で購入者も確保していた
- 発電所の基礎工事は終了し、パネル設置と連携を行う段階での貸付
- 融資額5,500万円を上回る金額(約1億円)で売買契約済み
- 8月に電力会社に連携開始を予定していた
- 遅延発生状況売買契約がご破産になった可能性がある
- 10月上旬にEO社代理人からmaneoに返済猶予の申し入れ
- 10月29日時点で未払いを確認
- 約1億円での売買契約について説明を求めても明確な解答が得られなかった
- maneoの対応満額回収は難しいが法的手段で回収開始
- 北海道の太陽光用地に対して第1位の根抵当権
- 担保発動を迅速に実行するための公正証書での融資契約
- 実は「1億円売買契約に譲渡担保契約」
- さらに「太陽光設備関連債権の譲渡担保契約」
- 加えて「EO社代表との連帯保証契約」を保全として備えていた
- しかし、これらを合算しても元本全額の回収は難しいと見ている
- 現在これらの確認と法的手段による回収をスタートさせている
9月〜10月ごろにEO社を取り巻く環境、主に1億円の売買契約に問題が発生した形で今回の遅延につながった印象が強いです。そのころというと太陽光発電に対して自然災害やら出力制限やらでネガティブ情報が飛び交っていたので、そういった情勢も関係したのかなと推測しています。
担保の太陽光用地は二束三文で売れるとしても数百万円程度でしょうが、まず現金化できるのかが疑問ですね。
太陽光設備については設備があるなら土地よりも需要があると思いますが、440kwなら新規購入で2千万〜3千万円程度(パネルとパワコン)、担保として使うなら何割毀損でさばけるかが重要ですね。
最後のEO社代表の連帯保証ですが、これは会社も個人にも限界がありますので資産状況が分からない現状では当てに出来ません。
そもそも発電所自体は完成しているのか?完成しているとして新しい販売先を探す場合、すでに冬の帳が降りている北海道の太陽光発電をこれから好き好んで買う事業者なんているんだろうか?
maneoの当初の見解通り、元本損失は免れない案件であり下手に売却を狙うと長期化しそうだと見ています。
AU社遅延案件の概要
借手 | AU社=恐らくガイアファンディング(遅延案件例はこちら) |
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貸付者 | maneo(AU社遅延のお知らせ) |
貸付金額 | 1億1,000万円(5ファンド募集) |
運用 期間 | 2018年06月01日 ~ 2018年10月29日 |
資金用途 | このファンドの期間延長目的 |
保全処置 | ・担保として今回の物件に第1位抵当権 ・完成後評価額:1億6,200万円 |
- 貸付前提条件カリフォルニア州都近くのファミリー物件
- ガイアファンディングのこのファンドの期間延長目的
- 内容をよく見ると2回目のおかわり案件でした
- これまで利息はしっかりと支払われていた
- 遅延発生状況許可が下りず期限までに売却できなかった
- 10月29日の運用終了日に元本を返済できなかった(利息は払えた)
- 開発許可が下りずに売却活動を完了することができなかった
- 許可が下り次第売却予定
- maneoの対応販売による返済を予定、早くて来春
- AU社から開発許可は年内に下りる見込みとの報告
- 売却はそれから3ヶ月程度を想定しているとの報告
- maneoはAU社の方針をサポートする
これは先月起きたガイアファンディングでの遅延案件と酷似していますね。本来なら販売期間延長目的でリファイナンスを行っていたのでしょうが、行政処分後にmaneo内の規制が強化されている流れから本家募集分も弾かれた、というストーリーでしょうか。
今回の遅延案件内では、このファンドが一番軽傷というか元本返還に期待を持てるのではないかと感じています。先日の遅延時のガイアの対応も素晴らしかったですしね。
リファイナンス2回している点は気持ち悪いですけども。
CU社遅延案件の概要
借手 | CU社(遅延案件例はこちら) |
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貸付者 | maneo → C社 → CU社(CU社遅延のお知らせ) |
貸付金額 | 20億2,737万円(超多数募集) |
運用 期間 | 2018年02月 ~ 2019年05月 |
資金用途 | 不動産(アパート)仕入資金 |
保全処置 | ・1,000億円記念Fは担保16億円 ・1,100億円記念Fは担保3億円 |
- 貸付前提条件maneo関連C社からCU社への貸付
- 1,000億円&1,100億円記念ファンドでの募集
- 金利も低く担保設定もしっかりしていた
- あくまで借手はC社
- 遅延発生状況運用開始3ヶ月程度でCU社案件が遅延
- maneo系の対応C社が利息を肩代わり?ん?
- 5月末にCU社からC社への支払いが滞ったがC社判断で利息を肩代わり(?)
- 5〜9月に掛けて担保権の実行で全額回収可能と見ていた
- しかし、それが不可能とC社が判断し遅延としてmaneoで顕在化、利息もストップ
- 引き続き競売・任意売却で回収作業に務める
恐らくですが1,000億円という超節目の記念ファンドだからこそメンツが働いたのではないかと推測しています。あくまで借手はC社で事業目的に融資資金の使うなら問題ないように見えますが、ノンリスコローンを理由に最終的に遅延させるなら最初からそうすべきだったのでは?と疑問に思います。だからこそ記念ファンドに対するメンツかなって推測してしまいますね。
それから、代わりに支払った利息の原資ってC社の純粋な資本ですよね?さすがに金融庁が入っている時期に他ファンド資金を回したりしていませんよね?C社も貸金免許持ってるんですからポンジになっちゃいますよね、そんなことしちゃったら。
その点が疑問なんですが、たぶん聞いても答えてくれなそうなんで記述だけしときます。
説明にあるようにmaneoとC社が担保売却で全額回収不可と判断したそうですので、あとはどの程度の回収率になるのかが注目されますね。
まとめ
ちなみに私の状況ですが現在maneoで4ファンド運営中で、今回の遅延案件には全て該当していません。
2月、3月、6月にそれぞれ募集されていますが、2月はまだソシャレン始めたばかりでなんでか業界1位のmaneoに対して積極的ではありませんでした。3月の太陽光は場所が北海道で気に入らなかったんだと思います。代わりにさくら&LC関連のファンドに出資して現在も運用中です。6月のガイアに関しては本家での投資をストップさせた時期だったので見送ったんでしょうね。
最後に投資したのは5月ぐらいで3ヶ月短期ファンドだったようです。それ以降は禁maneoしています。
今回の遅延騒動はAU社は先月のガイアで起きたようなリファイナンスが出来なくて遅延っていう感じで行政処分の影響によるものかと受け取っています。
しかし、対応は褒められたものではないのですが、EO社&CU社は貸付先のトラブルが起因になっていますのでソシャレンの内包するリスクが顕在化したものとして見ています。
この2案件からどの程度回収できるのか?
これが今後のmaneo、業界1位として君臨してきた事業者の実力を判断する試金石になるのでしょう。
該当者は溜まったものではないですけども(;´Д`)
CU社遅延案件の説明が不可解ですね。C社が利息を肩代わりしていることをmaneo が知らなかったとは思えないですし…ラキバンの行政処分やグリフラ問題が起きている時期にmaneo 本体の遅延を投資家に説明するのを避けたかったのでは?と疑いたくなります
一見、投資家へ最大限還元するためのようにも見受けられますが、結局は自分たちに都合の良く操作したと見られても仕方ないですよね。
ノンリスコローンを肩代わりってmaneoのためにやったようにしか思えません。
昨日の発表だけではまだ分からないことが多いです(^_^;)