ソーシャルレンディングの案件ページは他では見慣れない形式なので、初めての方にはどこに着目して検証すればよいのか判断しにくいはずです。
そこで今回は業界最大手maneo社の案件説明ページを例に、その案件の良し悪しを検証する際に見極めときたいポイントを解説していきます。
このポイントを見極めることができれば他社案件ページでも十分応用が効きますので、ぜひ活用していって下さい!
目次でサクッと
超重要!焦って投資しないために、焦らされるポイントを見極める
まず気をつけて頂きたいのが、焦って投資することは絶対に避ける、ということです。特にソーシャルレンディングは株や投資信託のように、自分のタイミングで売ってエグジットとすることが出来ませんので、投資する前は落ち着いてよく吟味することを心がけましょう。
で、
…そうは言っても、案件ページを見ていると私たちを焦らせるようなものがチラッチラしてきます。
その代表的なものが「現在の募集状況」で表示されている金額や残り時間などです。
これの進捗スピードやパーセンテージにより「大人気だから早くしないと埋まってしまう〜」といった焦る気持ちが演出されてきます。
もうひとつは、ページ下部にある「投資履歴」の項目です。
これは申込金額と日時がハッキリと記述されて羅列されているので、多くの人が殺到している錯覚も生みやすく、また多くの人が支持しているのだから良いファンドだ、と社会的証明によって誤認させることにも繋がります。
この2つの要素を参考にすることを悪いこととは断言しませんが、少なくともこの2つの要素は、私たちを焦らせるもの、と認識しておくことで、これらをトリガーに投資を急いでしまうことを防ぐ効果が得られるでしょう。
たとえどんなに良い案件でも、焦って投資したものは失敗である!と自制する心構えが大切です。
激闘のクリック合戦は、事前にしっかり分析して見極めておく、という前提を踏まえて参加しましょう。
案件の基本条件を確認しよう
投資条件と利率をチェック
まあ、この項目は恐らくファンド募集一覧で確認していることなので飛ばしても構いませんが、一応目的のファンドなのかを確認する意味合いで利率や投資条件を確認しておきましょう。
正確な予定運用期間をチェック
案件ページで示されている「◯ヶ月」という運用期間は、端数を繰上げて月数にしているので正確な運用期間ではありません。正確な日数をチェックするには下記画像の「貸付実行」〜「返済完了」までの日数を把握すること大切になります。(この期間が利息が発生する期間です)
シミュレーションしてみるのも良い
案件ページにあるシミュレーターを利用するのも良いですが、こちらは正確な運用期間をベースに算出していないので結構アバウトな金額になりがちです。
私が作ったシミュレーターなら正確な運用期間を反映させ、総額や月額での配当金イメージも分かるので活用して頂けやすいと思います。
ソーシャルレンディング配当金シミュレーター【正確】同一条件で後何回募集するかも把握しておく
案件の具体的な説明欄において、総額いくらを何回に分けて募集する予定なのかが記述されている場合もあります。
今回はラストの30次募集案件でしたが、21次募集の時点だったら、たとえどんなに人が殺到して申込んでいようが、ある程度検証するための余裕があると思えるでしょう。
ここも焦らないためにチェックしておきたいポイントです。
案件の詳細を見極める
文章とスキーム図で全体像を把握する
さて、ここが案件の良し悪しを見極める上でも大切なポイントです。
ここでは、
- 何に対する融資を行うのか?
- 返済原資は何を想定しているのか?(出口)
- 担保や保証の有無、それらの評価
- 運用期間中問題はないか?
これらスキーム要素を総合して、案件のリスクとリターンのバランスを評価し、運用期間などを考慮し検証を行うのがソーシャルレンディング投資です。
今回の案件では借手である事業者DMは店舗設備の割賦販売をしている事が分かります。(パチンコです)そして出口戦略として仕入れ商品を年商2,000億円企業への売却が決まっていると書かれています。さらに約束手形による保全が示されています。
重要事項説明書で運用手数料をチェック!
大抵の事業者では案件ページにある「ファンドに投資する」ボタンをクリックすると、「重要事項説明書」をダウンロードして確認するよう求められます。実はこの書類には事業者がこの案件で得る報酬が記載されています。(maneo系の場合は書類の一番最後のページに記載されています)
これを把握できると、借手の最終的な負担金利が判明するので案件の比較検証には欠かせません。詳しくは下記ページを参考にして下さい。
ソーシャルレンディングの仕組み〜事業者はどんなやり方で利益を出しているか?担当者のコメントも重要
特にmaneoだと案件担当者も表に出てファンドの特徴についてコメントを寄せています。その中には重要な情報も多いので必ずチェックしましょう!
今回は案件詳細を補足するように
「手形を預かることによる返済のプレッシャーは大きく、 手形を振り出す国内事業会社の財務状況から代金支払いが履行される可能性は高いと見込んでおり、 保全が効いているものと判断しております。」
といったコメントが有益です。これにより担保や保証が無くても保全が効いていると判断した過程を知ることが出来ました。
担当者の言い分を把握した上で自分で決断することが大切です。
まとめ
まず焦らないで検証できる余裕を自分の中で確保する。
そして、スキームや担保を評価し運用報酬などもチェックし、似たようなファンドと比較しながら無理がないかを検証する。
与えられた要素を判断し検証が終わってから投資実行の可否を決定する。
コレができれば、どんな事業者で募集されている案件においてもきちんと取捨選択して見極められるようになるでしょう。
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